分校Stay haruhiにお越しくださったお客様の夕朝食を彩る、ふっくらつやつやの白いご飯。

この一粒一粒に、どれほどの物語が詰まっているか、ご存知でしょうか?

ただ「美味しい」だけではない。そこには、地域への深い愛と、未来への希望が込められた、物語が存在します。

今回は、haruhiの「目の前の田んぼ」で繰り広げられている、少し泥臭くて、最高に温かい米作りの物語をお届けします。

過疎地が抱える「耕作放棄」のリアルな危機からの決意

田園風景とharuhi

私たちがharuhiを始めた時、この場所に広がる美しい田園風景は、実は静かに「耕作放棄」の危機に瀕していました。

現在、日本全国の中山間地域や過疎地では、農業の担い手不足と高齢化が深刻な問題となっています。一度田んぼが耕作されなくなると、あっという間に雑草が生い茂り、時にはイノシシなどの住処となり、元の美しい状態に戻すのは至難の業です。

春日地区の美しい景観が失われ、地域の方々との繋がりも希薄になってしまうかもしれない。

そんな未来を想像した時、私たちの心に「この景色を絶対に守りたい」「この地で生きる人々の笑顔を守りたい」という強い衝動が湧き上がりました。

素人ながら、一念発起して約2.5反もの田んぼを引き受けスタートさせた米作り。それは単なる農業ではなく、この場所の歴史と未来を守るための、私たちなりの小さな決意でした。

「春日の米はうまか!」地域の誇り

私たちが田んぼに向き合い始めると、地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちが、まるで自分のことのように喜んでくれました。

「春日の米は、昔から『うまか!』(美味しい)」

「春日渓谷からの水は、冷たくて綺麗だから、美味しくないわけがなか!」

そう、この地には「春日渓谷からの清らかな水」という、米作りにおいてこれ以上ない最高の宝があったのです。

自信と誇りを持って語る地域の方々の姿は、不安だった私たちに大きな勇気をくれました。

私たちがトラクターを走らせ、草を刈り、米作りを続けることで、田園風景は美しく保たれています。稲穂が頭を垂れる秋には、目の前に黄金色の絨毯が敷き詰められたような絶景が広がります。

消えかけていた目の前の景色は、今やharuhiの最大の自慢であり、地域の誇りとして、再び力強く輝き始めたのです。

地域のおじいちゃんたちとの交流

米作りは、私たちと地域との関係性を劇的に変えてくれました。

田んぼに入れば、必ず通りかかるおじいちゃんやおばあちゃんたちが足を止め、「もう水ば入れたとな」「よく耕せとるたい」「草をちゃんと刈らんば」と、まるで自分の孫を気遣うように声をかけてくれます。

特に、これまで少し寡黙だったおじいちゃんたちとの交流が増えたことは、私たちにとって大きな喜びでした。彼らは、何十年もこの土地と向き合ってきた田んぼのプロフェッショナルです。私たちが作業に困っていると、さりげなく的確な助言をくれ、遠くから静かに田んぼの様子を見守ってくれる、頼もしい存在となりました。

米作りを通して、haruhiは単なる宿泊施設やグランピング施設という枠を超え、真の意味で地域に「溶け込む」存在へと進化できたのだと感じています。

明治8年から続く歴史。haruhiの食卓で味わう「地域の恵み」

私たちは、明治8年から続くこの旧春日分校の歴史と営みを、決して絶やすことなく未来へ紡いでいきたいと願っています。その活動の根幹を支えるためにも、この米作りは欠かせません。

まだ稲作歴5年目の素人ではありますが、地域の方々の深い知恵を学び、何よりお客様の「美味しい!」という極上の笑顔に励まされ、今年もひたむきにお米と向き合っています。

haruhiに泊まりに来ていただき、それを口にし「美味しい」と喜んでくださる時。そして、この美しい景観と、春日地区の人々の温かさに触れ、日常の疲れが少しでも癒されたと感じていただけたなら、私たちにとってこれ以上の幸せはありません。

目の前の田んぼで育まれた、最高の「恵み」。

分校Stay haruhiにお越しの際は、ぜひこの物語と共に、心ゆくまでご堪能ください。

分校Stay haruhiのご予約こちら

記事一覧